脱水だけではない!怖い「水・電解質異常」

水・電解質異常とは
私たちは食事から栄養素および水分を摂取し、不要物なものは尿・便を介して排泄することで、体液の組成および電解質の恒常性を維持しています。血液内に存在する電解質は主にナトリウム(Na⁺)、カリウム(K⁺)、カルシウム(Ca²⁺)、マグネシウム(Mg²⁺)などのミネラルイオンで構成されます。これらの水・電解質のバランスが崩れる状態を「水・電解質異常」と呼びます。

電解質異常を起こす原因
・嘔吐や下痢・発熱など水分が体からでていく状態
・夏に汗をたくさんかくような場合
・水分を多く摂りすぎたり、摂らなかったりするとき
・利尿剤(おしっこを出しやすくする薬)など、特定の薬を服用している場合
・持病がある(心臓、腎臓、肝臓などの病気にかかっている)場合

電解質異常がおきたときの主な症状(電解質の種類によっても異なる)
・脱力感・疲労感
・筋肉のけいれん
・頭がぼーとするなどの意識障害など
・心臓のリズムが乱れる
どんなことに気をつける?
水分不足による脱水症状はよく知られていますが、実はそれだけではないことはお伝えしました。
私たちの体内では、ナトリウムやカリウムなどの電解質(ミネラル)が、血液の中で絶妙なバランスを保っています。このバランスを調整しているのが「腎臓」です。でも、腎機能が弱っていたり、ある種の薬を使っていたりすると、この調整がうまくいかなくなることがあります。

たとえば、
・利尿剤を飲んでいる
・血圧の薬を使っている
・慢性腎臓病と診断されている など
“なんとなくだるくて、力が入らない”こんなときは、「水・電解質異常」が起きているサインかもしれません。単なる脱水とは違い、命に関わることもあります。
高齢者は、体の中の水分・ミネラルバランスが崩れやすい!
加齢により腎臓の働きが急に落ちていたり、利尿薬・降圧薬などを飲んでいる場合、「水・電解質異常」が起こることがあります。めまい、けいれん、だるさ、食欲低下などのサインかも。「年のせい」とすませないで!
このような症状がある場合は、早めにかかりつけ医や薬剤師にご相談ください。